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米、人種・思想の分断根深く 各地で相次ぐ銃乱射 NY州、テロ対策を強化

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60949370Z10C22A5FFJ000/

 

全米で銃の乱射事件が相次いでいる。先週末に米東部ニューヨーク州で10人が死亡した事件などでは、特定の人種を標的にした憎悪犯罪(ヘイトクライム)の傾向が如実だ。

 

「白人至上主義は毒だ。我々の目の前で増殖するのを許してしまったが、もうたくさんだ」。バイデン米大統領は17日、ニューヨーク州北部バファローのスーパーで起きた銃乱射事件の犠牲者家族らを見舞った後、演説でこう訴えた。「すべての米国人が(人種差別的な)嘘を拒否するよう求める」とも語った。

複数の米報道メディアによると、バファローでの銃撃を受けた13人のうち11人は黒人で、白人至上主義者を自称する容疑者の白人の男(18)は計画的に犯行に及んだという。容疑者は、米国内の白人が有色人種や移民に取って代わられるとする「置き換え論」という考え方にも染まっていた。

人種差別的な思想が凶悪犯罪を引き起こす構図は他の事件にも通じる。テキサス州ダラスの韓国系の美容院で起きた銃撃はアジア系を狙ったヘイトクライムとみられている。ニューヨーク市ではアジア系住民を標的にした地下鉄線路への突き落とし事件も起きている。

「白人至上主義やナショナリズムを信奉する個人が過激化している」。17日にバイデン氏とともに演説したニューヨーク州のホークル知事はこう指摘した。