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株・金利・原油、急変に身構え 恐怖指数上昇 不確実性強く売買低迷

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60949600Z10C22A5ENG000/

 

「恐怖指数」と呼ばれる予想変動率は上がっており、投資家が抱える市場の先行きへの不安が表れている。S&P500種株価指数の恐怖指数である「VIX指数」は18日、前日比で19%上昇し30台をつけた。2008年のリーマン・ショック直後や新型コロナウイルス感染拡大が本格化した20年3月に付けた80台と比べ低いものの、22年4月上旬以降、不安心理が高まっているとされる20を上回る。

恐怖指数は株、債券、原油など各資産にある。決められた期日(満期)に決められた価格(権利行使価格)で各資産を売る権利や買う権利を売買し、今後の価格変動に備えた「保険」のような形で使われるオプション取引の価格から算出する。

足元の水準から離れた価格でのオプション取引が増えた場合に恐怖指数は上昇するので、市場参加者がトレンドを読めず、相場変動に身構えていることが示唆される。

バンク・オブ・アメリカが17日に公表したファンドマネジャー調査ではポートフォリオにおける現金比率は01年9月以来の高水準となった。リスク資産を売却し現金化している姿が浮き彫りとなった。このトレンドが続けば、資産が割安になっても押し目を狙う買い手が現れづらくなり、一段の価格下落につながりかねない。

米系証券の株式トレーダーは「見通しが立てにくいため、当日の市場が開いて上昇下落のトレンドがわかってから買いや売りの注文を出すようになった」と吐露する。

クレディ・スイス証券の松本聡一郎・日本最高投資責任者は「相場変動が和らぐ兆しは見えない」と指摘する。投資家の苦悩は深まっている。