https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB160H70W2A510C2000000
配達員が集団で寝泊まりする中心部のバール・ドバイ地区では、宿のドアマンが「全員寝ている」と話した。
独料理宅配サービス、デリバリー・ヒーロー傘下のタラバトの配達員は低賃金に抗議するため違法ストライキに突入している。世界の超富裕層が休暇で集うドバイだが、生活費の上昇を受けて最貧層の間で動揺が広がっている。
UAEでは、経済活動が幅広く活発化している。背景にあるのは新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以降の人口流入、ウクライナでの戦争に伴うロシア富裕層の入国、石油・ガスに依存するUAE経済に活気をもたらした原油価格の急騰だ。こうして高所得の海外からの居住者や暗号資産(仮想通貨)で資産を形成した億万長者など贅沢な生活を送る人々が新たに入ってきて、ドバイの不動産市場や高級品店、高級レストランを支えている。
一方で、ドバイの人口350万人の大半を占めるブルーカラーは苦しい生活を強いられている。
タラバトに限らず配達員の多くは、手取りの減少が彼らの送金に頼る南アジアの家族にとって痛手だと言う。母国でもインフレは急激に進んでいる。
ストライキ中のタラバトの配達員モハメドさんは12日、「我々の仕事は危険できつすぎる。14時間のシフト勤務が終わると、歩くこともできない」と語った。「だが神様が私の死ぬ時期を決め、すべて取り計らってくださる」

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