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日本株、近づく陰の極 「最悪の企業業績」織り込む

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60676230R10C22A5EN8000/

 

理由は日米主要指数のPER(株価収益率)を重ねるとみえてくる。米国株の12カ月予想PERは17.0倍と、2020年9月のピーク(24.1倍)から調整したが、過去10年平均(17.1倍)に戻ったに過ぎない。

一方、日本株の予想PERは12.3倍。過去10年間のPERのレンジのほぼ下限にきている。

現状の予想PERの「12倍」は相場の下限を示す節目として知られる。同PERが12倍を割ったのはチャイナショックの2016年初め、クリスマスショックの18年12月、コロナショックの20年3月の3回だ。「アナリスト予想が10~20%下方修正された時期に相当する」(SMBC日興証券の圷正嗣氏)

日本株にはこれまで「中国ディスカウント」と「岸田ディスカウント」という2つの固有の悪材料が株価を押し下げてきた。この2つにも解消される兆しが出ている。

反市場的政策が警戒されてきた岸田文雄首相は先週、英金融街シティーの講演で「資産所得倍増プラン」をぶち上げた。「岸田首相が市場重視に急に変わるとは思えないが、株価の足を引っぱるリスクは後退したと考えていいだろう」。大手証券のアナリストはいう。

夜明け前が最も暗いという。先行きはなかなか見通せないが、日本株の「陰の極」はもうすぐだと考えていいだろう。