https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC091S70Z00C22A5000000
新型コロナウイルス禍でテレワークが広がったことを受けたものだが、ファンには「平日ナイターの試合開始に遅れずに観戦できる」と好評だ。球団にとっても試合をしていない時間帯も収益を稼げるとあって、さらにサービスを広げようとする動きも出ている。
プロ野球の横浜DeNAベイスターズは4月、本拠地の横浜スタジアム(横浜市)で、バックネット裏スタンド上部にある個室観覧席でテレワークができるサービスを始めた。利用できるのは主催試合がある日の午前9時半から午後3時半まで。料金は個人なら1人3300円。団体利用の場合は2万2000~4万4000円だ。
巨人の本拠地、東京ドーム(東京・文京)では4月、三井不動産などと連携し、ナイターの試合日の朝から午後までドーム内をシェアオフィスとして活用する取り組みを始めた。
初めての試みで、4月下旬の数日間、三井不動産のシェアオフィスサービス利用企業向けに提供した。利用者は朝、グラウンドでフィットネスを楽しんだ後、テーブルや椅子がある「プレミアムラウンジ」で仕事ができる。利用客からは「普段と違う環境で仕事ができて良かった」と好評だったという。
サッカーJ1の浦和レッズは2021年10月から本拠地、埼玉スタジアムで仕事ができるテレワークプランの提供を始めた。利用料は昼食付きで3000円。埼玉スタジアムはさいたま市の中心部から遠く、JR浦和駅からでも電車を3回乗り換える必要がある。
平日ナイターの試合は午後7時から始まることが一般的だが、埼玉県内外から会社の終業後に観戦に行こうとしても、試合開始に間に合わないケースが多いという。同社担当者は「仕事帰りの観戦の利便性を高めるために導入した」と話す。
利用者は埼玉スタジアム南側にある展望レストランを午前10時から利用できる。試合開始前には退室しなければいけないが、昼のグラウンド整備の様子や、試合開始前にサポーターが着ているユニホームでスタジアムが赤く染まっていく様子などを見ることができ、ファン心理をくすぐる環境にある。利用者からは「日常と違う新鮮な気持ちで仕事に集中できた」といった声が出ているという。
球場周辺の宿泊施設もテレワークプランを導入している。プロ野球ロッテの本拠地、ZOZOマリンスタジアムがある千葉市は、市内のホテルのテレワーク利用を促すため、最大3000円を補助している。球場近くにあるホテルニューオータニ幕張やアパホテル&リゾート東京ベイ幕張などのテレワークプランを利用すれば、終業後すぐに野球観戦ができる。
#スタジアムテレワーク 野球やサッカーの球場や競技場でテレワークをする働き方。終業後、すぐに試合を観戦でき、試合開始に遅れて得点シーンなどを見逃すことがなくなる。プロ野球では埼玉西武ライオンズが2021年9月に初めて試験導入。横浜DeNAベイスターズや巨人、サッカーJ1の浦和レッズなどもテレワーク環境を整備している。
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