https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60399580Y2A420C2PPL000/
その一つとして、初心者でも取り組みやすいよう、実際の為替相場の予想を演習形式で行う授業も取り入れられています。通貨の値段が変わる理由を探ることで、経済全般の理解が進むという狙いです。
Q 為替相場の定義は?
A 企業や銀行が貿易や投資のために円やドル、ユーロといった通貨を取引する場を外国為替市場といいます。国際決済銀行(BIS)による2019年の調査によると、1日当たりの外国為替の取引高は世界で約6.6兆ドル(約838兆円)に達しました。
Q 通貨が上下する理由は?
A 基本的にはモノの値段と同じで、ある通貨の魅力が上がれば値段も上がります。魅力の中で、最もわかりやすいのは金利です。米国でドルを預金したときの金利が2%、円の金利が0.5%なら、ドルを選びたくなります。
外為市場にもこの論理は適用されており、特に円・ドル相場の市場参加者は「日米金利差」に注目します。現在は米国が利上げ、日本は実質ゼロの金利を据え置いている局面です。米国の利上げが続けば、日米金利差は開く方向でしょう。するとドルの魅力が高まるため、ドル高(円安)が進むと多くの人が予想するわけです。
Q 金利の上げ下げはどうやって決まるのですか。
A 金利の上げ下げを決めているのは各国の中央銀行です。日本なら日銀、米国なら米連邦準備理事会(FRB)が、原則として年8回の会合を開いて金利水準を決めています。
中銀は金利を決める際、国や世界の経済を点検します。例えば景気がよく失業者が少ないときは、金利を下げてビジネスをしやすくする必要性は薄れます。むしろ景気が過熱して物価が上がる「インフレーション」のリスクを気にして中銀は利上げを選ぶようになります。金利一つを決めるのにも、景気や雇用、物価といった様々な要素が絡んでいます。
Q 貿易と為替の関係は?
A 原油や食料など日本の輸入が増えるケースを考えてみましょう。日本企業は輸入の際に外貨を支払う必要があるので、円を売って外貨を買う取引が盛んになります。従って輸入が増える局面では基本的に円安が進みます。
一国単位で貿易や投資の状況をみる統計が「経常収支」です。日本では財務省が毎月公表しており、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」、海外からの利子や配当を示す「第1次所得収支」などで構成されます。理論的には経常収支の黒字が減ったり赤字になったりすると通貨が安くなるといわれています。

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