https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN264N80W2A420C2000000
21年1~3月期に19億ドルの売り越しだった株式投資は、22年1~3月期に400億ドルの買い越しとなった。1400億ドルを超えていた現金・同等物は同四半期に400億ドル超減った。4月には米保険会社アレゲニーの買収を発表。株式取得額は116億ドルになる見通しだ。多くの投資家がウクライナ危機や中国景気懸念で尻込みする中、危機時に果敢に動く往年のバフェット氏が戻ってきた。
積極投資に転じている。背景には強まるインフレへの備えという狙いがある。「インフレは債券投資家をだまして財産を巻き上げる。現金をマットレスの下に置いている人の財産も奪われる。ほとんどすべての人がだましとられる」。「お金を大量に刷ればお金の価値は下がる」――。バフェット氏はインフレに強い警戒感を示した。
今年92歳になるバフェット氏はインフレの怖さを経験している。11年の「株主への手紙」でも投資の最大リスクの一つに購買力の低下をあげていた。インフレ局面で1千億ドル以上の現金・米国債を保有し続けるのは厳しく資本配分の変更は急務だ。物価上昇で現金の価値が低下する。インフレ下では金利が上昇し国債の価格は下落する。一方、株式には多少の耐性がある。競争力のある企業は物価上昇分を価格に転嫁でき収益が大きくなり、株価は上がりやすい。
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