https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60325460W2A420C2ENI000/
先週末にダウ平均が一時1000ドル以上の急落を演じたことで生じた米株相場の弱気ムードは、いったん後退したようにも映る。だがマクロの経済環境に強い逆風が吹き付ける状況に変わりはない。
「FRBが今年後半に引き締めペースを緩める兆しをみせるまで、投資家は積極的に株を買う自信を持てないだろう」。米オアンダのエドワード・モヤ氏はこう指摘し、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過するまで株価は調整含みとみる。
厳しい市場環境では業種や銘柄の選別が重要性を増す。ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏は通常、経済成長率が鈍化する局面でバリュー(割安)株よりもグロース(成長)株が買われるという傾向が今回は当てはまらないと指摘。景気後退まで意識される状況では投資家が多く保有するグロース株の持ち高を減らしやすく、金利の急上昇もバリュー株より重荷になるとみる。
CFRAのストーバル氏は相場の上値が重くなる5月からの半年間において、生活必需品やヘルスケアのリターンが高くなる点に着目。「市場から退却するのではなく、投資先を循環させることが重要だ」と訴える。「恐怖指数」と呼ばれる米株の変動性指数(VIX)が節目の20を超える不安定な環境下で、投資家の守りの戦略が問われている。
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