「アルバイト従業員の働きがいを上げたい」。HataLuck and Person(ハタラックアンドパーソン、東京・中央)は小売店の業務改善アプリを手掛ける。染谷剛史最高経営責任者(CEO)は小売業の生産性向上のカギはアルバイトとみる。ネット通販が広がるなか、実店舗への来店を促すには接客が重要になるためだ。
アプリ「はたLuck」は、接客が良いアルバイトに対して店長が「星」を送る機能が特徴だ。まかない飯のグレードアップや、店で使えるクーポン券との交換ができる。連絡帳機能も備え、接客術に活用されている。顧客から寄せられた要望を書き込み、次の来店時に別のアルバイトが接客した場合でも対応できるようにする仕組みだ。
出版社勤務などを経て2003年に人材開発企業へ転職。小売業界や外食業界の採用コンサルティングを担当するなかで、アルバイトに関する悩みが多いことに気付いた。事業機会は大きいとみて17年に起業した。
19年にアプリの提供を開始。21年には三井不動産に採用され、各地の商業施設のテナントで使われている。足元の導入実績は全国で約9300店舗に達する。今後は接客が売り上げにどう結び付いたかを分析する機能などを追加し、さらなる働きがいの向上を後押しする。
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