長女が幼稚園のころ、長女をマンションの砂場で遊ばせていたら、近所のお婆(ばあ)ちゃんが孫娘をその砂場で遊ばせていた。そこへ、近所のお爺(じい)ちゃんがやって来て「この子、**さんのお孫さん? 可愛(かわい)いね。あの子は?」と長女を指さして訊(き)く。お婆ちゃんの返事は、「あの子? あの子はあちらさんのお孫さんでしょ」だった。
次女の小学校の父親参観に行ったとき、次女がお友達から「今日はお父さん来てないの」と聞かれて「あそこにいるよ」と答えたら、お友達から「お爺ちゃんじゃないの?」と言われたそうだ。
そのあと、娘2人から今後父親参観に来るときは、髪の毛を染めてきてほしいと言われた。抵抗はあったが、意を決して近所の床屋で白髪ぼかしというのをやってもらった。薬剤を髪にぬってしばらく放置するのだが、途中で弱気になり中途半端なところでやめてもらった。すると髪が青みがかったグレーになり、光が当たると紫に見える。「しまった」と思ってもあとの祭り。
翌日よりにもよって社長(現岩沙会長)との打ち合わせがあった。私が資料をもとに説明していると、社長は手元の資料ではなく、訝(いぶか)しげに私の髪をまじまじと見ておられた。穴があったら入りたいとはこのことだ。もう髪を染めるのは懲り懲りで、その後父親参観に行くことはなかった。
2018年に初孫が生まれたとき妻が言った。「お父さん、これで名実ともにお爺ちゃんになったね」
コメントをお書きください