https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC254OV0V20C22A4000000
資材価格の高騰や複数の大型建築工事で工期遅延が響き、完成工事利益率が大きく低下した。発表を受けて株価は前週末比で8%安と急落。これに連れ安する形で、ほかの建設大手株も軒並み大幅な下落となった。
売上高は2%増の1兆4829億円、営業利益は55%減の451億円と、従来予想からそれぞれ671億円、314億円下振れした。建材価格の急騰や着工遅れによる工期逼迫の対応などで18年度以降に受注した複数の国内大型建築工事でコストが増加。シンガポールの複数の建築現場では資材高騰のほか、新型コロナウイルス禍に伴う入国規制で建設作業員の確保が難しくなり、工事損失引当金を積み増した。
清水建設の22年3月期の単体建設受注高は1兆5434億円と、3年ぶりに上向いた。堅調な受注高の一方で、資材価格の高騰などで安値受注となっており、建設工事の利益率を示す完成工事総利益率(単体)は5.2%と、前の期の12.3%から大幅に落ち込む。これは14年3月期の4.7%以来の低水準だ。
東京都心では近年、大型再開発計画が活況で、1件あたり受注高が1000億円超の案件も多い。清水建設は18年度以降、虎ノ門・麻布台プロジェクトや芝浦1丁目プロジェクト、日本橋1丁目中地区プロジェクトなどの再開発計画を受注している。一方で一般的に大型プロジェクトは受注競争が激しいため、1件当たりの採算も悪化しやすく、業績への打撃が大きい。
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