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米住宅関連株が大幅下落 ローン金利上昇5%超 株価指数、昨年末から29%下げ 建材・家具にも売り波及

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60266170S2A420C2ENG000

 

金融引き締めで住宅ローン金利は12年ぶりの高水準となり、住宅の購入が減って市場が冷え込む可能性が高まる。建材から建設、家具など関連産業にも売りが広がり、個人消費への影響も懸念される。

 

背景にあるのは米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めだ。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が21日に発表した住宅ローンの30年固定金利は5.11%と12年ぶりの高水準となった。21年末から数カ月で2%上昇した。

 

米商務省が発表した3月の着工件数は全体で前月比プラスとなったが、金利上昇前の駆け込み需要との声があり、主力の一戸建てはマイナスだった。25~40歳の「ミレニアル世代」の強い需要に沸いた米国の住宅市場にピークアウト感が出ている。

住宅関連が注目されるのは景気の先行指標の一つとされるためだ。S&P住宅建設株価指数は07年に月間騰落率で2ケタ下落する月が7回あり、翌年「リーマン・ショック」が起きると1カ月だけで3割下落した。現在は当時より下落率は緩やかだが、「将来的な不景気を織り込む動き」(大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト)との見方が広がる。

米国以外でも住宅関連株は軟調だ。住宅建設の英テイラー・ウィンピーの株価は2割強下げた。日本では積水ハウスが1割近く下げるなど、資材高などの影響で一部の住宅株は振るわない。

住宅はコロナ以降の余剰資金の受け皿になった側面もある。とはいえ金利上昇が続けば、米国内総生産(GDP)の3~5%を占める住宅投資がさらに冷え込み、景気後退リスクが高まる。来週は米新築住宅販売件数やケース・シラー指数などの発表が控えており、いつになく注目が集まる。