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LIXIL、管理職は役職で評価 30代で部長・工場長も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC306X30Q2A330C2000000

 

部長や工場長などの要職に就くのは40~50代が中心だったが、今後は30代での起用もあるという。実力のある社員の抜てきで会社全体の競争力を高めるほか、世界での事業展開を支える人材の獲得にもつなげる。

 

4月から始めた新制度では、部長や工場長など役職ごとに必要とされる職務内容や能力を細かく定義する。役職に応じて評価や報酬を決める。役職に就いたら報酬を増やし、外れると減らす。同じ年代でも報酬に差がつき、若い管理職でも早くから幹部に起用しやすくする。

これまで管理職は、役職とは別に定めた7つの等級を使って評価し、等級を上げる際は個人の勤続年数を反映していた。年功序列型の色彩が濃く、若手社員を要職に抜てきしづらかった。年次の高い社員が役職から外れても、等級や報酬が変わらない場合もあった。

今後は等級を3つに集約し、役職と職務内容による評価を重視する。瀬戸欣哉社長は「従来の制度は、若くて実力があっても評価が上がらないことがあった」と話す。上げ下げしやすい制度にすることで、有望な若手を幹部候補として育てていく狙いだ。

管理職の賞与も従来の年2回から1回に集約し、直前の年度業績との連動を強める。これまで管理職賞与は一般社員の賞与水準に合わせており、労使交渉の結果など業績以外の要素に引っ張られていた。報酬体系を「海外のように単純で明快な基準に寄せる」(同社)として、3月期決算の結果を踏まえて夏に一括支給する方式にする。

今後は一般社員にも実力型の評価制度を広げることも検討していく。今は早くて30代後半で管理職になる場合が多いが、さらなる若手登用を目指すなら20~30代社員の評価制度を見直す必要がある。

製造業では勤続年数による技能の積み上げを重んじてきた側面が大きく、実力本位の人事制度の導入が遅れていた。能力があれば年齢や性別を問わず幹部登用できる仕組みを整え、世界で通用する先進的な商品企画やデザイン、マーケティング力の向上を図る。