· 

JR東、不動産で立て直し 高輪エリア、米マリオットのホテル誘致 営業収益560億円見込む

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60222590S2A420C2TB2000

 

羽田空港に近い利便性を生かして国際交流拠点と位置づけ、米マリオット・インターナショナルの最高級ホテルを誘致。オフィスや住宅を含めた複合開発を進める。鉄道輸送の先行きが厳しい中、不動産事業を収益の柱の一つに育成する。

 

高輪エリアの再開発は車両基地の跡地約9万5千平方メートルを活用する。今回の計画では4街区に分けて複数の高層ビルや住宅棟、約2千人収容のホールや屋上庭園を備えた文化交流拠点となる低層の建物を建設し、24年度から25年度にかけて順次開業する。駅前には1日に27万人の往来を見込んだ広場を整備する。

総事業費は5800億円に達し、JR東で過去最大の再開発事業となる。同社は田町駅や大井町駅など品川・高輪周辺のエリアでもオフィスや住宅などの再開発を進めている。同日記者会見した深沢祐二社長は「(品川エリアは)国内外との交通に強みがある。世界と日本をつなぐハブとしての役割を果たす」と話した。

新型コロナウイルス禍が直撃した鉄道業界にとって、今後の不動産事業は収益拡大の柱となるビジネスだ。JR東以外にも小田急電鉄や東京地下鉄(東京メトロ)、京王電鉄がそれぞれ新宿駅周辺で再開発を計画し、渋谷では東急が大規模な街づくりを進めている。いずれも非鉄道事業の強化を優先課題と位置づけ、不動産開発を強化している。

JR東が抱える賃貸等不動産の含み益は約1兆6000億円(21年3月期)に達し、不動産大手にひけを取らない水準だ。JR東は昨年1月に中期経営計画を修正。23年3月期の旧目標を取りやめ、新たに26年3月期の新目標を設定した。運輸事業の売上高に当たる営業収益は旧目標の2兆1000億円が、新目標では1兆9700億円に減る。一方で不動産・ホテル事業は旧目標の4400億円から新目標では4800億円に高めた。

高輪周辺はリニア中央新幹線の開通も控え、インバウンド(訪日外国人)を含めた国際往来の拠点にもなり得る。京浜急行電鉄トヨタ自動車と共同で、品川駅西口エリアに複合ビルの開業を発表し、西武ホールディングス(HD)は「グランドプリンスホテル高輪」周辺の再開発を計画するなど、各社が再開発にしのぎを削っている。地域間だけでなく、同一地域内でのテナント誘致の競争も激しくなりそうだ。