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積水ハウス、キャリア面談は安心感が要 挑戦意欲高める 働き方innovation 生産性上がっていますか(6)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF047QJ0U2A400C2000000

 

生産性が高い組織に共通するといわれる「心理的安全性」を確保し、社員自身がキャリア目標をどう達成していくかを上司がフラットな立場で聞く機会を設けた。部門を超えて事業アイデアを練り上げるアプリも用意。社員の挑戦意欲も高まりつつある。

「イクメン(休暇)どうやった?」「子供の世話は大変ですね。妻は喜んでましたよ」。4月上旬、西日本特建支店営業3課店長の岩本周大さん(33)は、2週間の育休から戻ったばかりの部下、沢田裕大さん(32)と向き合っていた。同社の「キャリア面談」は上司と部下が定期的に話し合う1on1ミーティングと同じようなスタイルだが、まずは身近な話題から始めるのが通例だ。

社員が自らキャリアを考え、決める「キャリア自律」を支援する狙いがあるという。キャリア自律は一人ひとりが何をなし遂げたいかを積極的に発信し、上司もそれを受け止める安心感があって成り立つとみる。

20年からの30年間を見据えたグローバルビジョンとして「『わが家』を世界一幸せな場所にする」を掲げており、社員がそれぞれのキャリアビジョンを達成する充実感と幸せを感じることにも主眼を置く。

社内アプリ「スカイデア」だ。社員が自由に事業アイデアを書き込んだり、賛同する仲間を集めたりできる。気軽に雑談できる社内SNS(交流サイト)のようなアプリも用意。21年にはスカイデアを使ってアイデアを募集し、優秀なものを表彰する「SHIP」という制度も新設した。

心理的安全性、社員の自律促す

人材サービス大手のエン・ジャパンの調査(有効回答約8900人)では、職場のどこに心理的安全性を感じるかという質問に対する複数回答で「他愛のない雑談ができる」(75%)が首位。「心身の状態を配慮し合える」(28%)、「人格や発言をむげに否定されない」(27%)などの回答も目立った。