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米起業家のイーロン・マスク氏がSNS(交流サイト)大手、米ツイッターの買収を提案した。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60064110W2A410C2EA2000/

 

ツイッターの力を引き出せると自信をみせるが、自由とネットの公共性をどう両立させられるのかは未知数だ。

 

「最大限に信頼され、広く人々に受け入れられる公のプラットフォームを持つことが文明の未来にとって重要だ」。14日のイベントに登壇したマスク氏は訴えた。確かにそうだ。2006年設立のツイッターは「アイデアと情報を生み共有する力を誰もが持てるように」との目標を掲げた。

しかし利用が世界に広がり、様々な思惑のツイートがあふれ出すと理想と現実の間に溝が生じた。その深刻さは16年の米大統領選で明白になった。フェイクニュースが拡散し民主主義が危機に陥ったとの声が噴き出した。

技術基盤の提供者であり、やり取りされる情報には関与しない――。IT(情報技術)大手はそうした立場をとってきたが、大統領選の混乱を境に軌道修正してきた。

20年の大統領選でツイッターは問題投稿を見張って警告ラベルをつけた。21年1月には暴力扇動の恐れがあるとしてドナルド・トランプ氏のアカウントを永久停止した。

こうした対応には賛否があり、明確な線引きの基準ができているとは言いがたい。瞬く間に膨大な受け手に情報が届き広がるネット空間。言論の自由をどう確立するか。手探りが続くなかで買収提案は飛び出した。