https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC302UN0Q2A330C2000000
新たな産業創出を目的にした投資ファンドの運用も始め、今後5年で有望なスタートアップ約40社に100億円程度を投資する。将来の協業や運営するオフィスビルへの入居も見据え、国内外の新興勢の成長を支える。
オフィス賃貸よりも割安
入居企業の多様なニーズに対応したプランを用意した。共用部(63席)をいつでも使える「ホットデスク会員」に加え、個室利用を希望する入居者向けには「個室会員」を設けた。デスク会員の料金は1人当たり月3万円。個室会員は月2万円のほか、月単位では4人部屋で20万円、一つの曜日限定であれば4人部屋で6万円を支払う。個室会員は共用部の利用も可能だ。
新型コロナウイルス禍でコミュニケーションが必要な日のみオフィスに出向く働き方が増えている。新施設では個室会員4人で1曜日(4人部屋)利用すると、月14万円の料金で済み、他のオフィス賃貸より割安と言える。既にスマート宅配ボックスのパックポート(東京・千代田)など23社が会員登録している。
入居企業は三菱地所が丸の内地区で運営する他の施設も利用できる。常盤橋タワーや新東京ビルなどにある共用ラウンジを使え、スタートアップ向けのイベントやセミナーに参加することもできる。
国内外40社に100億円投資
企業同士の交流を促すほか、三菱地所は入居企業の製品やサービスを運営施設で積極導入することでビジネス面の連携も期待する。三菱地所の井上俊幸執行役員は「オフィスを減らす企業や中身を変えようとする動きがあるなか、どのようなオフィスが必要なのかを考えた」と話す。
資金面でもスタートアップを支援する。このほど、新たな産業創出を目的にした投資ファンド「BRICKS FUND TOKYO」の運用を始めた。サイバーセキュリティーなど12領域を対象に注目のスタートアップを選定した。
今後5年で国内外の約40社に100億円程度を投資していく方針だ。従来の企業出資は不動産テックなど既存事業の強化が中心だった。事業環境や入居企業のニーズが変化するなか、新興企業と成長産業を生み出し、2030年以降の収益貢献につなげる考えだ。
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