https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC308LF0Q2A330C2000000
密を回避しながらサービスの充実した施設に泊まれるのが人気で、海外旅行の代わりに利用する層も増えている。会員権は高額なイメージがあるが、施設を繰り返し使うことでお得感が出る。予算や利用頻度を吟味して選びたい。
リゾート会員権は、軽井沢や箱根など主にリゾート地にある宿泊施設を利用できる権利を指す。施設を運営する企業などから会員権を購入し、年会費を払うことで1回あたりの宿泊費が1万円前後で済む。一般的なホテルと違い、会員権を持つ人やその家族、友人などしか宿泊できないタイプが主流だ。
リゾート会員権の種類は大きく分けて2つある。1つは施設の共同オーナーになる「共有制」。不動産の所有権を持ち、同系列の施設も使えるパターンが多い。年会費のほか、固定資産税なども部分的に負担する。もう一つは不動産所有を伴わない「預託制」。入会金と預託金を払って施設を利用し、退会も簡単にできる。
購入する手段も2通りで、主に新築施設の会員権を運営企業から買う方法と、所有者が市場で売りに出す会員権を仲介業者から買う方法がある。新築の場合は価格が1千万円超の高額になることがあるのに対し、流通品は施設の築年数にかかわらず幅広い種類を選べるため、施設によっては数十万~数百万円で買える。
運営大手のリゾートトラストの担当者は「温泉付き客室などプライベート感の強い部屋の引き合いが強い」と話す。温泉やレストランの混雑を可視化するシステムを導入するなど、感染対策を徹底している点も支持されている。東急リゾートが販売する「東急ハーヴェストクラブ」は休暇と仕事を兼ねた「ワーケーション」のニーズ拡大を受け、一部施設でワークラウンジを新設した。
たとえば「東急ハーヴェストクラブ伊東」は会員権の流通価格330万円に加えて、年会費や36泊分の宿泊代、固定資産税負担分などを含めた年間費用が約30万円かかる。高級ホテルの宿泊料が一般的に1泊2万~5万円することを考えれば、年15泊程度すれば年間費用より割安に泊まれることになる。
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