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ハンズ池袋跡にニトリ 今秋、1棟丸ごと開業

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60011030U2A410C2TB2000

 

ヒューリックから土地・建物を取得し、22年秋にも家具店を開業する。取得額は200億~300億円程度。複合施設「サンシャインシティ」につながる繁華街に面する好立地の物件として、街の活性化が期待される。

 

東急ハンズ池袋店は1984年に開店し、1~8階に売り場を構えた。若者らが訪れる人気スポットだったが老朽化が進んでいた。東急ハンズは新型コロナウイルス後を見据えた既存店の収益改善を急ぐなか、改装による十分な費用対効果が得られないとの判断から21年10月末に営業を終了した。

池袋店の土地や建物の保有はヒューリックから2月中旬にニトリに移った。ニトリは既存ビルを改装し、家具や生活雑貨などを取りそろえた店舗を出す。

ニトリは池袋地区において、東武百貨店池袋店のほか、サンシャインシティ内で主にホームファッション商品を置いた小型店「ニトリEXPRESS」を運営している。1棟丸ごとの店舗は今回が初めてとなる。

ニトリが出店する東急ハンズ池袋店の跡地は若者でにぎわう繁華街に面する好立地だ。池袋店の土地や建物は住友生命保険などを経て、最近までヒューリックが保有していた。同社はハンズ閉店が決まった当初、耐震補強した建物に造り替え、自社で利用する方針だった。クラウドサービスの市場拡大が進むなか、「一つの活用案として都心型のデータセンターを検討していた」(ヒューリック幹部)。

ただ、サンシャインシティにつながる場所として建て替え期間は周辺の道路などが一時的に使えなくなる可能性があり、ヒューリックの再開発に難色を示す関係者が出た。同社が建て替えを断念して売却方針に転換する中、取得に意欲を示したのがニトリだった。