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投資家ら、マスク氏を提訴 「ツイッター株保有報告で遅延」

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59980250U2A410C2EAF000/

 

原告側はマスク氏が同社株の大量保有報告を遅らせることで株価上昇を防ぎ、株式を買い進める際に約1億4300万ドル(約180億円)を節約したと主張している。

 

マスク氏がツイッター株を約9%取得したとSECに届け出たのは、期限より11日遅い4月4日だった。米テスラや米スペースXといった有力企業を率い、世界一の富豪でもある同氏の影響力は大きく、4日の米国市場でツイッター株は前週末比で27%値上がりした。

原告側はマスク氏が大量保有報告を遅らせることで安値で株式を買い進め、約1億4300万ドルを節約したと指摘している。日本経済新聞は別の訴訟でマスク氏の代理人を務める弁護士にコメントを求めたが、回答は得られていない。

原告側はマスク氏が開示を遅らせている間にツイッター株を売却したために、割安な価格で株式を手放さなければならなかったとも主張した。同じ損害を受けた投資家が少なくとも数百人から数千人に上るとしており、被害者らを代表する集団訴訟を通じてマスク氏に損害賠償を請求する方針とみられる。

ツイッターは5日、筆頭株主となったマスク氏を取締役に迎える人事を発表したが、同氏は就任予定日だった9日朝に辞退を申し出た。双方は理由を明らかにしていないが、米メディアでは大量保有報告が遅れたことと辞退の関連性を指摘する声もある。

ツイッターのパラグ・アグラワル最高経営責任者(CEO)は10日付の従業員向けのメッセージで、マスク氏は取締役として「会社の受託者」であり、他の取締役会メンバーと同様に会社と株主全員の利益のために行動しなければならなかっただろうと指摘していた。同氏が取締役就任を見送ったことについて、アグラワル氏は「これが最善だと思う」とも述べていた。