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日銀資産、再び膨張 連続指し値オペや国債購入増額 際立つ緩和、円安進行も

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59934580S2A410C2EE9000/

 

米欧のインフレ懸念に呼応した金利上昇を抑える目的で、3月に連続指し値オペ(公開市場操作)や臨時オペを実施した。4~6月の国債購入の予定額も1~3月から増額した。各国の主要中銀が金融引き締めに動く中で日銀の緩和姿勢は際立つ。一段の円安進行の懸念もあり、市場では政策修正の思惑も浮上しつつある。

 

ここにきて日銀が再び「量」を増やしているのは金利の上昇懸念が高まっているためだ。日銀の現在の金融緩和策は長期金利を0%程度、短期金利をマイナス0.1%に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)が柱だ。21年3月には長期金利の許容する変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」と明示した。

3月下旬には米国の利上げ加速の観測から長期金利が上昇した。日銀の許容上限である0.25%程度に上昇し、長期債を無制限で買い取る「指し値オペ」を28日に実施した。連続指し値オペや臨時オペも繰り出し、金利上昇を抑える姿勢を鮮明にした。

金融政策の方向性の違いは日本と海外の金利差の拡大につながる。12日の外国為替市場で円相場は1ドル=125円台で推移した。3月初旬に比べて10円以上の円安水準にある。

日銀は「円安は日本経済にプラス」との見方を崩さないが、輸入物価の上昇が家計に打撃を与え、経済が下押しされる「悪い円安」懸念も強まっている。

日銀のバランスシートの膨張は、日銀の緩和の出口を遠ざけるジレンマにもなる。将来的に利上げに動いた場合に、日銀が債務超過に陥るリスクが高まるからだ。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「金融緩和の出口の際には金利が跳ね上がるリスクがあり、日銀は難しいかじ取りを迫られている」と指摘する。