· 

倒産57年ぶり低水準 昨年度17%減、コロナ融資で 返済能力低い企業「延命」 円安・原料高で一転増も

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59849340Y2A400C2EA4000/

 

新型コロナウイルス禍に対応した資金繰り支援策で、返済能力が低い会社の倒産まで抑え込んだ側面が大きい。原材料高などが懸念材料で、倒産が一転して増える可能性はある。

 

21年度の倒産件数は前年度に比べて17%減った。前年度を下回るのはコロナ禍が始まって2年連続だ。上場企業の倒産は2年ぶりに発生しなかった。倒産した企業の負債総額は1兆1679億円と3%減り、73年度(9055億円)に次ぐ48年ぶりの低水準だった。

倒産は新型コロナの打撃が大きかった業種も含め全般的に減っている。飲食業の倒産件数は22%減の612件、宿泊業は44%減の71件だった。運輸業は7%増の244件と2年ぶりに前年度を上回ったものの、低水準に抑えられている。

倒産が減ったのは政府主導の資金繰り支援によるところが大きい。新型コロナで売り上げが減った企業に実質無利子・無担保で融資する「ゼロゼロ融資」の実行額は20年から21年末までで約42兆円にのぼった。金融機関も返済猶予(リスケ)に積極的に応じて、倒産を食い止めてきた。

先行きについて東京商工リサーチは「倒産は夏場にかけて底打ちから緩やかな増勢をたどる可能性が高い」と指摘する。