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バフェット氏、暗号資産の「敵」?

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59850360Y2A400C2ENG000/

 

ティール氏は7日に米マイアミでのイベントで講演し、「ビットコインの価格はなぜ10万ドルや100万ドルになっていないのだろうか」などと問いかけた。ティール氏は熱烈な暗号資産の支持者で、デジタル通貨は現在の金融システムに代わりうると主張してきた。

市場関係者を驚かせたのが、暗号資産の発展を阻止しようとする「敵」としてバフェット氏をあげたことだ。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)、米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOも名指しで批判した。

バフェット氏はビットコインやデジタル通貨について、懐疑的な姿勢を貫いてきた。「事業を理解できる」「割安な価格で購入できる」というバフェット氏の投資条件にそぐわないためだ。

もっとも、バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイは、2021年にネット銀行「ヌーバンク」を傘下に持つヌーホールディングス株に投資した。同社は傘下の証券会社を通じて、ビットコインに投資するETF(上場投資信託)を提供する。

大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「(バフェット氏も)ヌーホールディングスへの投資のように、新しいものを取り入れつつあるのかもしれない」とみる。90歳を超えた今でもバフェット氏の市場への影響は甚大なだけに、ティール氏からの「挑発」にどう応えるのかが注目される。