https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMH3091O0Q2A330C2000000
長い期間をかけて資産を増やすために有効なのが投資だ。新社会人に必要なお金の基礎知識を解説するシリーズの最終回は、投資による資産形成のポイントや注意点をまとめる。
「投資を始めるなら、早ければ早いほどよい」。ファイナンシャルプランナー(FP)の大竹麻佐子氏はこう話す。少額から始めれば値下がりした場合でも損失額は少なく心理的な負担も軽い。こうした経験を通じて自分がどの程度の相場変動に耐えられるかも実感できる。
ニッセイ基礎研究所の試算によると、毎月1万円ずつ積み立てて年2%で運用し続けられた場合、40年後には約733万円になる(税金やコストは考慮せず)。元本(480万円)の約1.5倍に増える。年4%なら約1165万円と同2.4倍になる。一方、大手銀行の定期預金金利並みの年0.002%程度だと、40年間運用してもほとんど増えない計算だ。
新社会人が投資を始める際に向いているのは、幅広い銘柄の株式などで運用する投資信託だ。口座を開設して取引する証券会社にもよるが100円から購入可能で、定期的に一定金額分を購入する積立投資も手軽にできる。中でも株式市場全体の値動きを示す株価指数に連動する「インデックス型」の投信がお薦めだ。
投信を積み立てるなら、少額投資非課税制度(NISA)や確定拠出年金(DC)といった税制優遇のある口座を利用したい。NISAでは投信の分配金や値上がり益などの運用益が非課税になる。
老後への備えになるDCは運用中に課税されないことに加えて、60歳以降に受け取る際にも「退職所得控除」や「公的年金等控除」など、所得から差し引いて税金を減らせる優遇もある。掛け金を加入者が負担する個人型DCのiDeCo(イデコ)の掛け金は全額、所得控除の対象だ。ただし企業型DCの場合、利用できるのは制度を導入している企業の従業員のみになっている。
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