https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC081LP0Y2A300C2000000
世界では新型コロナウイルス禍の収束を見据えて宿泊施設の開発が活発になっている。22年の投資額は21年比約4割増えて過去最大だった15年と同水準になる。帝国ホテルも都内のホテルを建て替える方針で、国内でも大型投資が再開しつつある。
高級旅館「ふふ東京銀座(仮称)」を建設する。銀座の目抜き通りである中央通りに面したオフィスビルを約200億円を投じて12階建ての複合ビルに建て替える。このうち高層階の6フロアを全38室の旅館にする。ヒューリックにとって13カ所目の高級旅館になる。
広さは1室最大約130平方メートルになる見通し。全室に温泉を使った浴室を設け、近隣の高級ホテルとの違いを打ち出す。宿泊者全体の3分の1は訪日観光客の利用を想定する。銀座の主要通り沿いに高級旅館ができるのは珍しい。
世界ではコロナ後を見据えた宿泊施設の開発が活発化している。不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)によると、22年のホテルへの投資額は前年比約4割増の900億ドル(約11兆円)強になる見通しだ。リゾート地を中心に開発計画が相次いでいる。
国内でもコロナ禍で控えていたホテルの大型投資が再開し始めている。帝国ホテルは24年度から旗艦の「帝国ホテル東京」(東京・千代田)の建て替えを本格化する。25年には三菱地所などが大阪市に米ホテル大手のヒルトンの最高級ブランド「ウォルドーフ・アストリア」を誘致する。
もっとも、足元の国内のホテル稼働率は本格回復していない。英調査会社STRによると、2月の平均稼働率は43.6%とコロナ前の半分程度に落ち込んでいる。高級宿泊施設の需要が底堅い一方、ビジネスホテルなど高級業態以外の施設は東京五輪・パラリンピック前の建設ラッシュで飽和感も出ている。
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