https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59767090W2A400C2TB1000/
「10億人構想」
「ソニー全体でデータを共有財産にする」。デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の推進役として21年4月にCDO(最高デジタル責任者)に就いた小寺剛常務は強調する。22年3月期の営業利益は前期比26%増の1兆2000億円の見通しで、6割をエンタメが稼ぐ。祖業のエレキからゲーム、音楽などエンタメ中心のコングロマリット企業に変貌したが、事業ごとの独立性が強く、連携が遅れていた。
ソニーはゲームや映画など多様なコンテンツを持つのが強み。データ活用でユーザー個人の好みに合ったコンテンツを提供し、自社内のサービスを長く深く使い続けてもらう戦略だ。小寺氏は「GAFAのサービスは万人向け。ソニーはコンテンツごとに熱心なファンを抱える。多様な接点を生かし、エンゲージメントを高めることが収益につながる」と説明する。
吉田憲一郎会長兼社長は顧客と直接つながる「10億人構想」を掲げる。現在の顧客はゲームのPSNや、21年に買収したアニメ配信「クランチロール」、金融など加えると3億人近いもよう。データを軸に自社サービスや巨大IT(情報技術)企業と連携しながら顧客を広げていく考えだ。
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