大阪のオフィス、9年ぶり大量供給 駅前に大規模タワー

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5年までは空室率が供給過剰の目安となる5%を上回る見込みで、以降の開発が抑えられる可能性もある。

大阪駅の南側で24日に開業した「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」のオフィスは、契約率が約8割と好調だ。1フロアで500人近く収容できる広さが特徴で、開発を担当した阪急阪神不動産の森永純常務は「大阪駅前の好立地が受け入れられた」と話す。コロナ前から営業を進めていたことも功を奏し、ダイキン工業東洋紡が本社移転を決めた。

オフィス仲介の三鬼商事(東京・中央)によると、大阪市中心部では20年2月まで空室率は2%を切る水準だったが、22年2月は5.15%と供給過剰の目安となる5%を約5年ぶりに上回った。IT(情報技術)企業や通信企業が相次いで拠点を集約している東京都心は21年2月に5%を超え、22年2月は6.41%。それに比べると上昇は小幅だが、エリア別でみると2月の新大阪周辺は10.46%。新大阪駅北側で1月に開業した「新大阪第2NKビル」は3月時点でまだ半分ほどのフロアで電気がついていない。

三鬼商事と日本不動産研究所(東京・港)が21年11月に公表した予測では、大阪市中心部の空室率は24年に5.8%と20年比で2.4ポイント上昇する見込み。オフィス仲介の三幸エステート(東京・中央)の斉藤典弘・大阪支店長は「大阪では需要はまだあるが、供給が上回っている。25年より先は供給が少し抑えられる可能性もある」と指摘する。