住友林業、米で不動産開発ファンド ESG型、700億円規模

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59515110Z20C22A3TB1000

住友林業は米国で不動産開発ファンドの運用に乗り出す。大型賃貸集合住宅を開発し、運用資産は5.8億ドル(約700億円)規模をめざす。米国の環境認証を取得するほか、地域住民の意見を反映するなどESG(環境・社会・企業統治)に配慮した開発計画で差異化を図る。

ファンドは2月に組成し、米子会社であるクレセント社が物件の開発と運用を手がけるほか、住友林業が設立したアセットマネジメント子会社が運用助言を行う。熊谷組長谷工コーポレーションなど複数の日系企業から、数百億円規模の出資を募った。

フロリダ州タンパやノースカロライナ州シャーロットなど4カ所で、都市近郊に鉄筋コンクリート造や木造の大型集合住宅を開発。計1000戸を賃貸物件として5年間運営した後に売却する。省エネ性能や廃棄物に関する米国の環境認証を全ての物件で取得するほか、計画策定時に近隣住民との意見交換会を実施し、地域の歴史や文化を開発計画に反映した。

米国では中古物件の不足に加え、25~40歳の「ミレニアル世代」を中心に住宅需要が堅調だ。特に北緯37度線以南の「サンベルト」と呼ばれる地域では、人口や雇用の増加により住宅需要が見込まれている。今回の開発物件もこうした地域で、ESGに関心の高い若いカップルを中心に付加価値を示したい考えだ。