腰痛と共生する 三井不動産社長 菰田正信

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59453650Y2A320C2MM0000

 

劇的な治療法で完治したと、その治療法をご紹介できればよいのだが、残念ながらそうではない。80点ぐらいのレベルで、腰痛と共生を続けているというお話だ。

30歳前後で初めて腰痛というものにかかった。背筋が弱って腰に痛みが出たが、その後腹筋も弱り、結果として筋肉のバランスが取れて治ったという情けない話だった。

本格的な腰痛が発生したのは2007年、53歳の時だった。座敷の宴会の翌日、激痛で起きることができなかった。股関節の硬い私が無理やり胡坐(あぐら)をかいて長時間座っていたのが原因だと思われる。

病院で診てもらった。横になって自分で足を上げようとすると激痛が走るが、先生に足をもちあげられても、痛くもかゆくもない。筋肉に力が入ると痛いのだ。筋肉が硬くなって神経を圧迫するのが原因だといわれた。筋肉を鍼(はり)治療でほぐし、ひと月ぐらいで普通に生活ができるようにはなったが、とても完治とは言えなかった。

その後、鍼、マッサージ、整体、整骨、カイロプラクティック、気功などありとあらゆる治療法を求めて20カ所以上の診療所に通ったが、それでも完治には至っていない。椎間板が少し出っ張っており、腰の筋肉が硬直すると、椎間板と筋肉の間で神経が圧迫されるらしい。痛みを悪化させないためには腰回りが硬くならないようにメンテナンスするのが重要だと分かった。

朝晩の腰痛体操と、週2回の水中ウオーキング、週1回のマッサージ。これが私の腰痛と80点で付き合う秘訣である。