https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59374830U2A320C2EE9000
取得総額は700億円強とみられ、ブランドや管理体制を刷新し若者を中心に貸し出す。2018年に経営破綻したシェアハウスの運営会社が発端となり、スルガ銀行の不適切融資に発展した事件が区切りを迎える。
ローンスターは20年3月から、かぼちゃの馬車の債務者の所有不動産を入札で順次取得してきた。22年に入って実施された第3弾の入札でさらに500棟超を取得する。土地や未完成の物件を含めて合計で1214棟を取得する。
取得後は傘下の資産運用会社ハドソン・ジャパン(東京・千代田)を通じて事業を再生する。貸し出す物件の大半は東京都内にあり、シェアアパートのブランド名を「TOKYO β(トーキョーベータ)」に変更する。地方から東京に来る若者らに照準を合わせ、賃料は月2万~10万円台と周辺相場よりも割安に設定し、敷金などの一時金も不要にする。
かぼちゃの馬車時代に約200社に上った管理会社は3社に絞った。スマートフォンで入居手続きなどもできるように運営を効率化する。22年内にスマホなどで鍵を開閉するスマートロックを導入する方針で、居住者の利便性向上に取り組む。
かぼちゃの馬車を巡っては、会社員らがスルガ銀などから平均1億円超の資金を借りて建設した。運営は物件を借り上げて転貸するサブリース業者のスマートデイズが担った。ただ十分な入居者を確保できずに会社員らへの家賃の支払いが滞り、同社は18年に経営破綻に追い込まれた。
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