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地価上昇の波、東京近隣に 住宅地、千葉・埼玉・神奈川伸びる

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59307240S2A320C2EP0000

 

新型コロナウイルス禍でテレワークが増えるなど生活が変化し、郊外でも住宅需要が高まる。人口が増えれば消費が拡大し、次の投資を呼び込んで地域が活性化する好循環も期待される。

 

人の流れの変化は地価にも反映されている。22年の公示地価は全国平均で住宅地と商業地がいずれも2年ぶりに上がった。

 

コロナ後の働き方の変化が背景にある。国土交通省によると、テレワークする人の割合は20年度に19.7%と前年度の2倍に高まった。東京からの移住先として人気の高い長野県軽井沢町は10~11%程度のプラスで上昇の勢いが強まっている。

 

一方で都心の住宅人気も依然根強い。中央区や豊島区など8区が2%以上の上昇となった。東京圏で最高価格をつけたのは港区赤坂の高級マンション「ホーマットロイヤル」だった。好立地の高級マンションは共働きで世帯所得の高い「パワーカップル」などを中心に販売が好調だ。

 

対照的に都心のオフィス街は戻りが鈍い。大企業の本社などが集中する千代田・中央・港の3区はマイナス圏から抜け出せなかった。

オフィスビル仲介大手の三鬼商事によると、新宿・渋谷を加えた都心5区の空室率は2月に6.41%と、供給過剰の目安となる5%を13カ月連続で上回った。

三幸エステートの今関豊和チーフアナリストは「23年は東京でオフィスビルの大量供給を控え、市況の下押し圧力になる可能性がある」と指摘している。