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航空、負債圧縮に動く ANA、手元1兆円の半分視野 アメリカン、25年まで150億ドル減

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59241430Y2A310C2DTA000

 

ANAHDは1兆円近い手元資金を段階的に4000億円程度まで減らす計画だ。その多くを約1.8兆円まで膨らんだ負債の圧縮に充てるとみられる。機材の早期退役を当初の計画から積み増したり、不動産を売却したりするなど資産整理も進め、今後も資金を創出していく考えだ。

 

ANAHDは21年9月に格付投資情報センター(R&I)の格付けが「シングルAマイナス」から「トリプルBプラス」に下がった。R&Iは「格付けの安定性は高い」としつつ、「債務とキャッシュフローのバランスが格付け水準から乖離(かいり)した状況が長引く可能性が高まっている」とみる。

 

通常、日本などと欧州を結ぶ路線ではロシア上空を飛行するが、欧州各国とロシアが相互に領空通過を禁止した影響などで多くの便が迂回や欠航を余儀なくされている。

原油の需給逼迫による燃料価格の上昇もコスト増につながる。業績と財務の両面で懸念材料が散見される中、手元資金と負債のバランスをどう取っていくか。各社は難しい判断を迫られている。