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ホテルのコンセプトルーム広がる 立地の特徴いかし集客

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFH061TK0W2A300C2000000

大型のモニターにゲーム用のマウスやパッド、ホイール――。野村不動産ホテルズは1月下旬、東京・秋葉原の「NOHGA HOTEL AKIHABARA TOKYO(ノーガホテル秋葉原)」に、およそ500万円を投資してeスポーツが楽しめるゲーミングルーム2部屋を開設した。サブカルチャーの街という側面も持つ秋葉原に立地するだけに、このコンセプトルームをeスポーツが体験できる聖地とし、集客に向けた売り物の一つにしたい考えだ。

「開設後にホテルのホームページ閲覧数が2倍に増えた」と話すのは中村泰士総支配人。ゲーマー同士やカップル、親子連れなどでゲーミングルームは毎日完売状態だという。レストランの集客につながる波及効果も出ている。今後ゲーミングルームの増設や、ファンミーティングのような関連イベントの開催も視野に入れる。4月には京都市内にも、地域とのつながりに注力した新ホテルの開業を予定している。

東京・竹芝エリアに位置する、JR東日本系の日本ホテルの「メズム東京」は、劇団四季の劇場に隣接している。ミュージカル「オペラ座の怪人」の世界をイメージしたコンセプトルームを、昨年夏から1日1室限定で提供。ルームの窓からは劇場が一望できる。室内に目を移すと、19世紀後半のパリをほうふつとさせるデザインのヘッドボードで、劇中劇「ハンニバル」の額入りポスターや怪人が着用している仮面のレプリカなども室内に展示されている。

生沼久総支配人は「ミュージカルに加えて、ホテルの室内で特別なひとときを楽しんでほしい」と狙いを話す。同ホテルは2020年のホテル開業が新型コロナの感染拡大時期と重なる不運に見舞われたが、コンセプトルームの予約は好調だという。販売期間を当初予定から約半年延長して、今年7月末まで続けることにした。