エン・ジャパンが運営する若年層向け転職サイト「AMBI(アンビ)」では、21年4~9月に大企業からスタートアップに移った件数が、18年4~9月比で7.1倍となった。全体の転職者数の伸び(3.8倍)を大きく上回る。全体に占める比率も21.4%と3年前より約13ポイント上昇している。
日本は戦後の高度経済成長を支えてきた新卒一括採用、終身雇用制度がまだ残る。20年時点の日本の労働者の平均勤続年数は12.5年。4年前と比べて0.2年短くなったが、米国の4.1年、英国は8.6年などと比べて長い。
ただ新型コロナウイルス禍で経営難に陥る大企業を見た若者の「安定志向が変わり、早くスキルを身に付けられるスタートアップ志望が増えている」(エン・ジャパン)。
人材の大企業偏重が変われば、企業の新陳代謝につながる。きっかけとなる転職の背中を押すのが待遇改善だ。
米国は18~19年に年平均で約2割の人が職を替えた。「衰退する産業から成長する産業へと人材が回ることで経済が成長していく」(東京都立大学の宮本弘暁教授)。転職が活発になれば、日本の再成長のきっかけにもなる
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