https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD223LJ0S2A220C2000000
上りと下りで速度が違う場合も
2月下旬。東京の東急東横線渋谷駅ホーム。記者(63)はホーム中ほどの上りエスカレーターに乗ってみた。上階に着いたらすぐ、下りに乗り換える。「あれっ。下りの方がゆっくりだ」
このエスカレーターは、上りと下りで速度を変えている。上りは分速40メートル(時速2.4キロメートル)、下りは同30メートル(同1.8キロメートル)で運行している。
なぜ、上下で速度を変えているのか。「利用者が多い駅では混雑を解消するため、上りの速度を上げている」(東急電鉄の古山洋一広報CS課主事)という。
速度の上限は「角度」で決まる
エスカレーターの速度は建築基準法で規定されている。角度によって異なり、8度までは分速50メートル以下、30度までは同45メートル以下、35度までは同30メートル以下で運行しなければならない。
日本エレベーター協会によると、国内の駅や商業施設などにある約7万台のエスカレーターは角度30度が主流。分速45メートル以下での運行が求められる。