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東京再開発、住宅なお活況 建設戸数最高、低金利後押し 三井不の億ション販売1000戸

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58759580T00C22A3TB2000

 

再開発で建設中の住宅は8%増の3万戸超だった。市区町村別では中央区の約1万1600戸が最多。過去20年間に同区の再開発で建設された住戸数とほぼ同じで、21年の大阪府全体の新築マンションの年間供給戸数を超える。千代田と港を加えた都心3区に全体の約半数が集中する。

 

中央区にある月島・勝どき・晴海エリアで、三井不動産レジデンシャルが再開発を進めるのが「勝どき東地区」だ。駅直結の一等地に3棟のタワーマンションを並べ、24年4月から順次入居の約3200戸を供給する。すでに1072戸を販売した。

 

同社は22年3月期に価格が1億円以上の「億ション」販売が1000戸を超え、例年の600戸前後を6割上回るもようだ。プロジェクト推進部の美和傑部長は「2億円超の物件も好調で、1億円が高級物件の目安ではなくなってきた」と話す。不動産経済研究所(東京・新宿)によると、21年の首都圏の億ション販売が2760戸と20年から1.5倍に増え、新築価格も1戸あたり平均6260万円と過去最高を更新した。

 

災害対策に遅れ

美和氏は「当面の金利上昇は想定しにくい。共働きのパワーカップルも増え、マンション価格は下がらない」と言い切る。新型コロナウイルス下でテレワークが定着し、22年1月1日時点の東京都人口は26年ぶりの減少に転じた。東京都による推計でも、都人口は25年にピークを迎え、生産年齢人口(15~64歳)は40年までに約100万人減る見通しだ。それでも「世帯数の減少は鈍い。湾岸部の再開発は終わらないだろう」(美和氏)

都心部に比べて荒川区や足立区など周辺部は再開発が遅れている。東京都が18年に建物の倒壊や地震、火災などの災害危険度を5段階で調査したところ、危険度が4~5と判断された地域は都心3区に1つもなかったが、中野区や杉並区、足立区、葛飾区は2割以上あった。山手線の外側を取り囲むように危険度の高い地域が残る。

オフィスも旺盛

オフィスビルの建設も進む。都内の事業中の再開発のうち、少なくとも19地区が「事務所」などオフィスを主な用途に含む。森ビルは23年、虎ノ門・麻布台地区に高級ホテルなどが入る複合施設を開業する。オフィスの貸室面積は21万平方メートル超、就業者数は約2万人を見込み、ともに六本木ヒルズを上回る。森ビルの調査では、オフィスを拡張したい企業の意向が強まっているという。

一方でテレワークの定着でオフィスを縮小する動きが出ている。三鬼商事(東京・中央)によると、22年1月の東京都心5区のオフィス空室率は平均で6.26%、新築ビルでは15.39%とともに供給過剰の目安となる5%を超えている。