· 

成年後見 自宅売却や医療、思わぬ盲点も 人生100年の羅針盤 認知症と生きる

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD223BD0S2A120C2000000

 

自宅を売却できないことも

「家族全員が同意しているのに家が売れないなんて、納得がいかなかった」。4年前、認知症の母が介護施設に移り、母名義の空き家を成年後見制度を利用して売却しようとした男性は振り返る。

 

成年後見制度には判断能力が不十分となった後に家庭裁判所が選ぶ法定後見と、事前に自ら契約しておく任意後見がある。法定後見は代理権の及ぶ範囲などに応じて後見、保佐、補助があるが、もっとも範囲が広い後見でも自宅売却には家裁の許可が要る。

 

自宅売却が本人の利益になり、本人も反対ではないと明確なら普通は許可が下りる。

 

一方、十分な判断能力があるうちに公正証書で契約しておく任意後見人は、契約の内容に自宅売却を含むなら家裁の許可は不要で手続きを進められる。

 

自宅売却を考えているなら、認知症になる前に家族信託を契約しておく手もある。契約次第では子の判断で親の家を売り、介護施設費に充てられる。

 

後見人、専門家が7割強

成年後見制度の利用者は2020年末で23万2287人で、推定600万人超の認知症患者数と比べて非常に少ない。20年は成年後見人に親族が選ばれた割合は約2割で、司法書士や弁護士ら専門家が7割強を占める。本人の財産から成年後見人に報酬を払うのが一般的だ。月2万円程度が目安だが、より高額な例もある。