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「ひとりの時間」は誰にとっても開かれたもの

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK311XS0R30C22A1000000

 

「ひとりで過ごすことが好き」は我慢しなくてよい

2021年春に放送されたテレビ東京系の連続ドラマ「ソロ活女子のススメ」。江口のりこ演じる主人公・五月女恵が毎回様々な場所で、ひとりを楽しむための活動「ソロ活」にまい進する姿を描いている。

 

原案者でフリーライター・コラムニストの朝井麻由美はドラマ人気についてこう受け止める。朝井自身、ブーム以前からひとりで出かけることが好きで、活動歴は実に15年以上。現在は情報サイトの連載上であらゆるジャンルのひとりならではの楽しみ方を発信している〝ソロ活の達人〟だ。

 

ひとりでの行動・消費にかけるお金、月平均9637円

家族連れやカップルらをメインターゲットとしてきた消費の現場風景が変わり始めた。ひとり客が気兼ねなく楽しめる「焼肉ライク」(東京・渋谷)がチェーン展開するほか、「ソロサウナtune」(東京・新宿)など街には専門店が多数登場。ホテルやスポーツジムでもひとり向けのサービスを設けるところが増えている。

 

SMBCコンシューマーファイナンスが21年2月に実施した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査」では、ひとりでの行動・消費にかけている金額の月平均が9637円と約1年前より4000円以上増加した。

高齢になると生じる住まいの問題

この問題に正面から向き合っているのが不動産会社「R65」(東京・杉並)だ。主な業務は65歳以上の顧客の住まい探し。夫婦もいるが、単身での依頼者が多く、「年を取っても自分らしい生活、豊かな暮らしを送る権利があるはず」と代表の山本遼(32)は訴える。

「ここの不動産屋でもう5軒目なんです」。山本が同社を立ち上げたのは、新卒で入社した不動産屋で出会った80代の女性客の悲痛な言葉がきっかけだ。聞けば行く先々で門前払いを受けたといい、山本が他社や家主に約200件あたっても紹介可能な物件はわずか5件しかなかった。「自分が30年後に元気だったとしても賃貸住宅を借りられないかもしれない。好きな住まいを選べる自由がほしいと思った」