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住宅高騰、利上げで転機 世界の家計債務55兆ドル コロナで1割増

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80099570T10C22A2MM8000

 

ロッキー山脈の麓にある米アイダホ州の州都ボイシー。米民間調査による全米100都市の住宅高騰ランキングで1位になった。家族向け物件の販売価格の中間値は1戸あたり約54万ドル(約6200万円)と10年で2倍に上がった。

 

過熱は米国だけでない。米ダラス連銀によると主要25カ国の住宅価格はコロナ後に急上昇し、21年7~9月は前年同期比13%高まで上がった。22カ国では住宅価格の上昇率が可処分所得の上昇率より大きい。

 

今回は当時と状況が異なる。世界の金融当局は当時の反省から規制を強化し、金融機関はリスクを取り過ぎない経営にシフトした。証券化商品の残高は07~08年より大幅に少なく金融システム不安につながる恐れは小さい。

金利上昇は住宅需要を冷やす恐れがある。JPモルガンは米住宅投資の伸び率が21年の前年比9%から22年は1%程度に減速するとみる。住宅過熱の調整リスクに世界が神経をとがらせる。

 

日本でも住宅ローン残高が増えている。日銀の資金循環統計によると家計債務は21年9月で346兆円と2年前より4%増え、特に住宅ローンが216兆円と同5%増えた。コロナ下で住環境を見直そうとする需要は大きい。

一方、住宅価格の状況は海外と異なる。ダラス連銀によるとコロナ禍を経た価格上昇率は1%程度で欧米を大幅に下回る。首都圏などのマンションが高騰しているが相対的に安い日本の不動産は海外投資家の標的になる。最近も外資系ファンドによる西武ホールディングスのホテル買収といった動きが出ている。

「割安だと感じる海外投資家からの資金流入が続く」(ニッセイ基礎研究所の佐久間誠准主任研究員)可能性がある一方、海外で不動産価格が調整すれば日本への投資が細るシナリオもありえる。コロナ後に向け多角的にリスクに目を光らせる必要がある。