· 

コロナ転機に戸建て躍進、マンションは最高値 「住」を制する剛者は(上)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB023N70S2A200C2000000

「住」の価値観激変

日本人の「住」に対する価値観が激変している。通勤の利便性を求める「都心集中」が鮮明だったコロナ前から一転して、在宅勤務に適した広い家を求める人が郊外へと動き始めた。

 

こうした流れが、戸建て住宅メーカーに追い風となっている。中でも成長著しいのが低価格の分譲戸建てを手がける「パワービルダー」だ。最大手で年4万6千棟以上を販売する飯田グループホールディングスは、22年3月期に連結売上収益(国際会計基準)が1兆4700億円と過去最高を更新する見通し。オープンハウスグループも23年9月期に連結売上高1兆円超えを掲げる。

北関東が地盤のケイアイスター不動産は22年3月期の連結純利益が2期前の4倍となる見通し。同社の戸建てで主力の価格帯は2000万円台だ。株価は直近2年で3.5倍となった。岡三アセットマネジメントが運用する「ニッポン創業経営者ファンド」の組み入れ上位銘柄にはケイアイ不やオープンHが名を連ねる。宮地徹郎投資情報部長はパワービルダー各社を「価格競争力が強く、安定成長が期待できる」と評価する。

一方、都心に目を移すと違った光景が見えてくる。新築マンションの価格高騰だ。不動産経済研究所によると2021年の首都圏新築マンション価格は6260万円と、バブル期の1990年を超えて過去最高となった。

ニッセイ基礎研究所の渡辺布味子准主任研究員は「中堅デベロッパーの投げ売りがあったリーマン・ショック後と違って経営体力のある大手の寡占度が高まっており、当面は価格が下がる要素が見当たらない」と指摘する。

マンション、価格高騰で実需離れも

だが、その価格は共働きの「パワーカップル」でさえ手が届きにくい水準になりつつあり、実需が離れ始めているとの指摘も出ている。三井住友DSアセットマネジメントの秋山悦朗・リートグループヘッドは「都心のマンションを複数所有するような富裕層は、賃料ではなく値上がりを期待して購入している」と話す。マンション価格がピークをつければ、投資マネーの逃げ足は意外に速そうだ。