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米メタを追撃、中国のAI 米ウエストコースト・エディター リチャード・ウォーターズ

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80046520Q2A210C2TCR000/

 

2月に入って巨大ソーシャルメディア企業メタは、普通のAIに出ばなをくじかれる格好となっている。

 

中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のエンゲージメント(投稿に対してどれだけ再生されたか)を高めるために活用されている中核のAIアルゴリズム(計算手法)は、つまりあの楽しい短い動画を視聴してもらう時間を最大限延ばす目的で使われているアルゴリズムは、消費者向けにAIを使う最も効果的な活用方法とみられている。

実際、ティックトックのAI技術はここへ来てメタの業績に打撃を与え始めたようだ。メタのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は2日、2021年10~12月期の決算を発表した際、この中国の競合ティックトックの名前を挙げて、その急成長などで自社を取り巻く競争環境が厳しくなっていると説明した。これを受けてメタの株価は翌3日急落し、時価総額は実に約2500億ドル(約29兆円)近く激減した。

ザッカーバーグ氏が未来のメタバースの実現を夢見るのは自由だ。だが、ティックトックのAI技術は、ティックトックのサービスを次々と進化させている。そのアルゴリズムは、人気の動画がなぜ人気なのかを示すシグナル(特長)を探しだし、そうしたシグナルが実際に利用者がティックトックを見るリピート率の増加や、視聴時間の増加にどう貢献しているのかを検証していく。

ザッカーバーグ氏がティックトックが自社の脅威だと発言した日の前日、米グーグルの親会社、米アルファベットは21年10~12月期の決算を発表し、AIを活用すれば、いかに業績を大きく伸ばし得るかをみせつけた。インターネット広告事業の売上高が市場の予想を大きく上回って拡大、同社はAIの活用が奏功したのが大きかったと主張した。

その本質は、ティックトックと同じで、既に特定の顧客企業の間で人気の高い広告の出し方に、さらに高い付加価値を提供してサービスの強化を図るというものだ。グーグルのAIは各広告の効果を分析し、誰かがグーグル検索をするたびにその人物に表示するなどのリアルタイムの広告の入札で、どんな戦略を取れば最も効果的に広告を打てるかを企業に指南する。加えて、広告主が使える様々な文章や画像、動画などをすべて調べ、広告主である企業が抱える様々なターゲット層別に、最も効果的なメッセージとなる素材の組み合わせも推奨していく。