https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79763800R00C22A2EE9000/
とはいえ、住宅ローン利用者の9割は、より金利が低い変動タイプを選んでいる。金利上昇は住宅ローン全般に波及するのか。
銀行は長期金利の指標となる10年物国債の利回りなどを基準に固定タイプの適用金利を決めている。長期金利が1月31日に0.185%と2016年1月以来、6年ぶりの水準に上昇したのを受けて銀行は上昇分を固定金利に反映した。
一方、短期プライムレート(短プラ)と呼ばれる金利が基準となる変動タイプの金利は据え置いた。短プラは日銀の政策金利の上げ下げに連動する。
日銀も足元の物価上昇は一時的として「現在の金融緩和を修正する必要はまったくない」(黒田東彦総裁)との姿勢を貫いている。
住宅ローン相談サイト「モゲチェック」を運営するMFSの塩沢崇氏は「少なくとも黒田総裁の任期の23年4月までは変動金利は上がらないだろう」と読む。
変動金利で当面、超低金利のメリットを享受するか、固定で先行きの金利上昇の不安を小さくするか。物価上昇率がにわかに高まるなか、日銀の金融政策の行方への注目度も高まる。住宅購入者は、まったく心配する必要がなかった金利上昇を念頭においた選択を迫られる局面に入りつつある。