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コロナ禍の2020年生産額、業種で明暗

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB00033_Y2A110C2000000

 

巣ごもり関連は増

増加した業種もある。建設業は4.6%増の31兆8600億円だった。20年春こそ工事現場もストップしたが、その後は豊富な受注残をこなしていったとみられる。電気業も4.1%増の8兆5000億円と伸びた。「自宅で過ごす時間が増えて家計の電力使用量が拡大した」(大和総研の神田氏)のが背景で、巣ごもり需要はここにも現れた。

 

不動産業には注意

GDPでのシェアが12%を超える不動産業の大きさには注意が必要だ。不動産業の付加価値額の8割強を占める「住宅賃貸業」に、持ち家へ家賃を払っていると仮定して計算する「帰属家賃」が含まれるためだ。20年の不動産業の付加価値額65兆9000億円に対し、帰属家賃は48兆5500億円だった。実際はお金のやり取りがない帰属家賃で膨らむ不動産業は、額面通り受け止めると実態を見誤りかねない。

 

労働への分配、景気と逆相関

年次推計でどの業種がどれだけ付加価値を生み出したのかという「生産面からみたGDP」は暦年の数字しか推計していない。一方、GDPが誰に分配されたのかという「分配面からみたGDP」は年度の数字もある。そのうち労働者の分け前である「雇用者報酬」は、20年度は前年比1.5%減の283兆6600億円だった。

雇用者報酬を分子に、GDPから減価償却のような固定資本減耗などを引いた「国民所得」を分母にそれぞれ置いて計算した数字が「労働分配率」だ。20年度は75.5%と前の年の71.9%から急上昇した。

第一生命経済研究所の主席エコノミスト、新家義貴氏は「労働分配率は景気と逆相関する」と話す。景気の変動よりも雇用者数や賃金の動きの方が小さいからだ。20年度の雇用者報酬は12年度以来、8年ぶりに減少したが、分母である国民所得(要素費用表示)の方が6.2%減と減り方が大きかった。