そごう西武売却 セブン果たせなかったカリスマ2人の夢

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD01D5K0R00C22A2000000

 

しかし道半ばで挫折し、労苦に満ちた16年に終わった。壮大なM&A(合併・買収)の失敗劇は何を意味するのか。 

 

合言葉「変化対応」、発揮できず

鈴木氏が陣頭に立てば良かったのかもしれない。だが年齢の面でも感覚の面でも難しかっただろう。もちろん鈴木氏は最後まで諦めなかった。

 

それがネットと実店舗を一体化するオムニチャネル構想だ。日常的な食品・雑貨、ベビー用品、高級衣料品までそろえ、リアル優先からプラットフォーム型にシフトすることは可能だ。

 

だが鈴木氏が16年に退任すると、オムニチャネル構想は消えた。そもそもIT(情報技術)への投資も薄く、後を受けた井阪隆一社長はリアルを中心とした現実路線を歩む。22年、そごう・西武の売却に動き出し、カリスマ二人が描いた夢の世界と決別した。06年にそごう・西武を買収したのはセブンイレブンの一本足打法からの脱却だったが、再び一本足打法に戻る。

 

そもそもコンビニを日本に導入し、スーパーだけの世界から脱出した未来志向がセブンの持ち味であるのは間違いない。本来ならばコンビニの絶頂期、あるいはその前からデジタルチャネルを作っていれば、別の未来が開けていたかもしれない。だが経営陣は年齢を重ね、夢を実現することができなかった。グループの合言葉「変化対応」は急速なデジタル化の中で有効性を発揮できなかった。それは多くの日本企業に重なる現実でもある。