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内田春菊 「時短」が大好きです

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79091450R10C22A1KNTP00/

 

時間をかけることが美しいという思想は私にはない。

 

しかし何かと作るのが好きなのはどうしようもないので、人からは時間をかけているように見えるかもしれない。

 

この部分には時間がかかっても仕方ないけど、ここに時間がかかるのはやだ、というわがままな考えなのである。

 

漫画なんてフルデジタルになってからの時短っぷりはとんでもない。

 

紙に描いていたときは、鉛筆で下描きしてからペン入れして、仕上げ指定を書き込んだものをスタッフに渡すと、スタッフはまず枠線を引き、セリフ以外の下描きを消しゴムで全部消す。

 

それから指定通り黒くするところを筆で塗り、トーン(模様シール)を切りながら貼り付けていた。

 

が、デジタルだと枠線は、基本の枠をデジタル定規でパキパキと割るだけだし、黒くつぶしたいところはペン入れしながらワンクリックでつぶれ、模様も同じく一瞬。

 

そして下描きも消したり表示したりが自由自在。

 

お話を考える方(ネームといいます)は時短が効かないので、作業時間は短くなればなるほど嬉(うれ)しい。

 

出来る表現が増えたからと、前より時間かけてしまうのだけは絶対避けたい(そういうタイプの人もいるようだ)。

 

時短がうまく行ったり行かなかったりしながら、ものが出来上がると、「あ~もうできちゃった」と思う。

 

編み物なんかだとなかなか出来ないけど、出来上がるとやっぱり「もうできた、つまらん」と思う。

 

やってる間が楽しい。本もあまりに面白いと、読んでる最中から読み終わるのが寂しくなるけどあんな感じですね。