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週2在宅勤務で「未来家賃」抑制 GMO熊谷社長に聞く

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC14DHQ0U1A211C2000000

 

――コロナ禍の動向も見ながら、出社と在宅勤務をどう使い分ける方針ですか。

「GMOでは日本の主要企業に先駆けて在宅勤務をはじめた。

今は出社と在宅の『ハイブリッド』が必要だと強く感じている。

どちらかひとつではだめだ。

既にフルリモートに舵(かじ)を切ったり、オフィスを解約したりといった会社もある。

だが、企業としての競争力に後で響いてくるだろう。

かといって毎日出社に戻すのも『昭和』な感じがする。

リモートワークの有効性がコロナで確認できたので、これを続け武器にしていくのが重要だ」

――企業経営にとって、オフィスはどのような役割を持つと考えていますか。

「多くの人は受験生時代に図書館に行って勉強した経験があると思う。

それは周りを受験生に囲まれるとやる気が起こるからだ。

弊社では『図書館効果』と呼んでいる。

こういった意味でも、オフィスは必要だ」

「オフィスは単なる仕事用のスペースではない。

ピラミッド、教会、江戸城といった建物のように、組織にとっての象徴としての役割もあると考えている。

誇りの源泉にもなる」

――となると、今後もオフィスを増やしていく方針なのでしょうか。

「減らすことはないだろう。

ただ、今後も従業員が増えていくと予想されるなか、在宅勤務との組み合わせにより、オフィスが増えるスピードを抑えられると考えている」

「週5日のうち2日、すなわち4割が在宅勤務であれば、足元から従業員が4割増えるまではオフィスを増床しなくてもいい試算になる。

これを『未来家賃の削減』と考えており、収益性の向上につながる」

「2021年11月に、用賀駅(東京・世田谷)に直結するビル『世田谷ビジネススクエア』(の信託受益権の55%)を取得すると発表した。

副名称を『GMO TOWER』にして、ロゴを掲出する。

(東急田園都市線の)駅名の副名称も変える。

コロナ禍で不動産を購入する機会も増えた。

未来家賃を抑制しつつも、オフィス投資は必要だ」

――在宅勤務と出社の併用については、今後も続けるのでしょうか。

「メタ(旧フェイスブック)が注力している『メタバース(仮想空間)』のような技術が発達し、あたかも人と人が一緒にいるような距離感や温度感がストレスなく再現できるようになるのなら、オフィスが要らなくなる世界がくるかもしれない。

ただ、実現するとしても10年以上先だろう」

人材投資が競争力のカギ

新型コロナの感染拡大が国内で本格化する数カ月前の20年1月下旬、GMOはグループ全体で在宅勤務に移行した。

約2年が過ぎ「在宅勤務を取り入れた方が、生産性が上がることが分かってきた」と熊谷社長は話す。

その手応えは数字にも現れている。

日経バリューサーチによると、20年12月期の従業員1人あたり営業利益は533万円と、過去20年で最高だった。