https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78898360T00C22A1FF8000/
製造業に偏った産業の多角化に向けて政府が取り組んだ育成策の結果、韓国のコンテンツ産業は日本を圧倒する勢いを示しており、食品や化粧品などの輸出にも好影響をもたらしている。
輸出増の流れに拍車をかけたのが「イカゲーム」に代表される韓国ドラマだ。
米ネットフリックスで配信開始から28日間で1億4200万世帯が視聴し、歴代最多視聴記録を塗り替えた。
ネットフリックスでは10月中旬以降、非英語の番組の視聴ランキングでトップ10に韓国作品が3~4本ランクインし続けている。
特に日本や東南アジア、中東などで韓国ドラマの視聴が多い。
日本のお家芸だった漫画も今や韓国勢がプラットフォームを握りつつある。
ネット大手のネイバーとカカオが、スマートフォンで読みやすく縦にコマ送りする「ウェブトゥーン」で覇権争いをしており、両社のプラットフォームに世界の漫画家が作品を投稿する傾向が強まっている。
韓国コンテンツ産業の特徴は、オンラインのプラットフォームを活用して世界でファンを獲得する点だ。
創作段階から人口約5200万人の国内市場ではなく、世界市場を狙って作品を制作する傾向も顕著だ。
人口減少が始まった国内にとどまれば成長は難しいという危機感が強い。
韓国では1998年に金大中(キム・デジュン)政権が「文化は21世紀の基幹産業になる」とし、各大学に関連学科を整備するなどコンテンツ産業育成に乗り出した経緯がある。
新設学科出身者が音楽プロデューサーや俳優として活躍する。
こうした長期的視点での人材育成も韓流の躍進を支えている。