https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77704170Y1A111C2TB2000/
日清食品ホールディングスの強みは、創業家トップが前任者の仕事を踏襲しないことに尽きる。
2代目の安藤宏基社長は「カップヌードルをぶっつぶす」と宣言し、父で創業者の百福氏と言い争った。
3代目の安藤徳隆副社長も2代目と言い合うことを恐れない。
2015年に事業会社の日清食品の社長に就いた徳隆氏は「ラーメン屋の社長になったつもりはない」として「Beyond Instant Foods」を掲げた。
ジャンクフードなどを食べ過ぎると、栄養のバランスを欠いたり体重が増えたりして、罪悪感を覚えてしまう。逆に健康ばかり気にしても、人生の楽しみが奪われる。
「インスタント食品を食べていれば大丈夫」というフードビジネスモデルにシフトすることを最大のミッションに置く。
これまでのカップヌードルは食べ過ぎてはいけないと言われてきたが、今後は食べても食べても身体の健康と安全を守るどころか、増進さえする理想のカップヌードルを作ろうというわけだ。
それを実現するために研究しているのが「完全栄養食」だ。
「見た目やおいしさはそのままに、カロリーや塩分、糖質、脂質などがコントロールされ、必要な栄養素を全て満たす食」を意味する。
すでにとんかつ定食、オムライス、パスタなど300種類のメニューでできあがっている。
グループ社員を対象にした臨床試験では、体重、内臓脂肪面積、血圧、腹囲といった数値に改善が見られたという。
カップヌードル革命は「まんぷく」(朝ドラか!)から「スマート」なフードライフへの蓋を開けるだろうか。

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