古い団地、多機能化で再生 住居+仕事場・ジャズ喫茶… 若い世代呼び込み狙う

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東京都八王子市の都営住宅「長房団地」の敷地内に4月、食品スーパーやクリニックなどが入った大型商業施設「コピオ長房」がオープンした。

 

高層団地への建て替えで生まれた余剰の敷地に建てられた。

 

ほかに大型ホームセンターの「カインズ」も出店したほか、パソコン教室や薬局、介護の相談所も入るなど住居だけだった以前の団地から風景が一変した。

 

千葉県習志野市の袖ケ浦団地では4月、コワーキングスペース「Join Spot 袖ケ浦」が誕生した。

日本総合住生活(東京・千代田)が運営する。もともと銀行だった施設を改修し、ウッドデッキなどを導入。

リラックスして作業できる内装にした。若い世代の利用が多いという。

利用者の8割が団地の外からだが、ランチなどを提供するキッチンカーは団地住民からも人気だ。12月には地域の商店とマルシェ(屋外市場)を開く。

団地内に店舗と住まいを一体にした「住宅付き店舗」を設け、飲食店を出したい人の移住を促しているのが北本団地(埼玉県北本市)だ。

 

市や地元のまちづくり会社「暮らしの編集室」、良品計画などが連携して20年11月に団地の再生を始めた。

 

21年5月には都内から移り住んだ30代の夫妻がジャズ喫茶「中庭」をオープンした。

 

近隣から人が集まるようになり、活気が失われつつあった団地の復活に一役買っている。

 

横浜市の洋光台団地では都市再生機構(UR)と有名建築家などが組んだ再生プロジェクトが進んでいる。

建築家の隈研吾氏とクリエーティブディレクターの佐藤可士和氏が協力して、団地によくある茶色やクリーム色の壁や床を白に一新し、広場に縁側のように使える木製ベンチを置くなど明るさとにぎわいのある空間に変えている。

2階部分にデッキを設けて地域交流のスペースも設置。

カフェもでき、住民らの新しい憩いの場になっている。