https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC047YC0U1A101C2000000
同社が、便利な移動を実現することで地域を活性化すべく、「不動産×MaaS」の取り組みを拡大すると発表したのは、2020年12月のことだ。
アプリとしてはフィンランドのマース・グローバル「Whim(ウィム)」を活用。
対象は日本橋と豊洲で、利用できるモビリティーサービスは、タクシーやバス、シェアサイクル、カーシェアリングだった。
「これまでは電車やバスなど移動手段に対して個別に手配、料金支払いをしていたが、(MaaSの世界では)1つのアプリを通じてさまざまな交通手段を検索から予約まで一括でできるようになる。」
千葉・柏の葉のマンション「パークシティ柏の葉キャンパス」における20年9月からの実証実験では、マイカー離れの傾向が顕著だった。
住人の約7割がマイカーを持たず、自転車さえ保有していない人の割合も約5割に及んだ。
便利な駅近マンションとはいえ、カーシェアリングやシェアサイクルなどを気兼ねなく使えれば、より地域の移動は活性化される。
不動産評価の常識を覆す
不動産の立地に左右されずにその価値を引き出せることだ。
簡単に移動できるようになれば、「スポットとして魅力的でもアクセスが悪い」などといった従来の不動産評価の「常識」を覆せる。
今後は、日本橋や豊洲といった、MaaSを起点としてできたコミュニティー同士をつなげて、より移動を促す展開を見据える。MaaSが市民権を得ていくには、利用者が感じる不便さを解消していくことが鍵を握る。
コメントをお書きください